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ゆずきのBL小説ブログです。                      頼りになる幼馴染攻め×おねしょが治らない受けです。        ちまちま更新します。
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恋人との初めての泊りがけの旅行から帰ってきた次の日、力は悩んでいた。
保田衛に話をしに行こうか、と考えていたのである。
保田は悠耶が夜尿症の治療を受けていた小児科の医者である。
先日、悠耶が治ったという報告をしてからは何事もなく過ごしていたが、今回、一度とはいえ失敗してしまった。
そのことを話しておくべきかと思ったのだ。
しかし、これを話すと自分たちの関係の進展まで話さねばならない気がして、ためらっていた。
結局、力はやすだ医院を訪れた。
保田のことは、悠耶との関係も含めて信頼していた。
悠耶が旅行先で失敗してしまったこと、精通したこと、それらに関連した二人の進展を話すと保田は、予想していたことが起きてしまったというように、視線を落として考え込んだ。
「先生?」
力が考えを聞かせてもらおうと促す。
保田は顔を上げ、力をまっすぐに捉えた。
「力くん、あまり深く考えてはいけないよ」
そう前置きをして、保田はこういうことを話した。
悠耶のおねしょと力の存在には、なんらか繋がりがあるかもしれない。
力とキスをして、恋人になった途端、悠耶のおねしょは治った。
力との性的関係に不安を感じた夜、失敗してしまった。
そしてその不安が解消された次の夜、寒さにも関わらず失敗はなかった。
つまり、力との間に不協和があると、失敗しやすいのかもしれない。
「だからって、力くん。あえて言わせてもらうけれど、君の人生は君のものだよ。悠耶くんと共にいたいのなら、それでいい。でも、そうでないのなら思うとおりにするべきだよ。お互いのためにね。君以外にも、悠耶くんを治せる人がいないとは、限らない」
最後の言葉に、力はどきりとした。
「おれではだめなんですか?」
「そうじゃないよ」
保田は小さく笑った。
「悠耶くんも力くんも、無理をしないで付き合いなさい、ってことさ。わかるね」
「あ……はい」
力は素直に頷いた。
確かに悠耶が失敗してしまった夜は、力の欲望のために無理をさせてしまったのかもしれない。
「先生、おれ、悠耶のこと大切にします」
力は改めて宣言した。
宣言したい気分だった。
「うん」
保田の微笑みに別れを告げて、力は家路についた。

<第三話 完>



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