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ゆずきのBL小説ブログです。                      頼りになる幼馴染攻め×おねしょが治らない受けです。        ちまちま更新します。
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真瀬悠耶が母親と共に家を出た頃、隣の家に住む神野崎力(かんのさき りき)は、やや焦っていた。
あとは財布を入れて、上着と、時計と……。
必要なものを、急いで用意する。
時刻は七時五分、悠耶との待合せ時刻を五分、過ぎていた。
力は、朝が弱かった。
普段より一時間も早く起きねばならない今日のような日は、力にとっても実は試練であった。
生憎、母親は彼よりさらに寝起きが悪く、父親は海外出張中、妹に起こしてもらう気にはなれず、目覚まし時計と携帯電話のアラームで頑張った結果が現状だった。
もちろん朝食も取らずに、力はリュックをかついで外に出た。
五月の朝は、凛としていた。
薄い日差しの中に、悠耶がこちらを見て立っている。
「ごめん、遅くなって」
力は悠耶に駆け寄って謝った。
「ううん、そんなに待ってないよ」
悠耶が柔らかく微笑む。
大きな二重の瞳が、愛らしく細められる。
綺麗だなぁ。
心の中で、力は呟いた。
悠耶は、背の割には肩も腰も華奢だ。
その身体を思い切り抱きしめたい、と力は密かにずっと考えている。
そのためには、告白して、付き合わないとな……。
「力くん、いつも迷惑かけちゃって申し訳ないけれど、悠耶のことよろしくね」
悠耶の母親の言葉に、力は現実に帰った。
「いえ、迷惑なんて。こちらこそ、よろしくお願いします」
力はぺこりと頭を下げた。
迷惑というのが具体的には夜のことなのだと、力は当然わかっているが、取り立てて言及したりはしない。
悠耶は恥ずかしそうに俯いている。
真実、力は迷惑だなんて少しも思ってはいなかった。
「気を付けてね、いってらっしゃい」
悠耶の母親に見送られ、二人は駅へと歩き出した。


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