ゆずきのBL小説ブログです。
頼りになる幼馴染攻め×おねしょが治らない受けです。
ちまちま更新します。
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「力……?」
悠耶が瞳に涙を溜めて、力を見上げる。
力は悠耶を、ふわりと抱きしめた。
「ごめんなさい、ごめん、なさい……せっかく誘ってくれた旅行なのに。力に、迷惑かけたくないのに、俺……」
小さな子供のように謝り続ける悠耶に、力の胸は痛んだ。
「俺こそごめん。昨日、嫌がることして」
力は悠耶の頭を撫でた。
「大丈夫、大丈夫だから」
悠耶をなだめながら、力は対処法を考えた。
この宿には、今日も泊まる予定になっている。
出かけている間に清掃に入られれば、知られてしまう可能性が高い。
隠すよりも、宿の人に告げてしまったほうがいいように力には思えた。
ずるいやり方ではあるが、お茶でもこぼしてしまおうか。
そうしておけば、実はおねしょだと気付かれても、わざわざ確認してきたりはしないだろう。
この方法なら、悠耶も恥をかかなくて済むだろう。
事態を切り抜ける方法を、力は今までのように考え、実行しようとしていた。
こうやって悠耶の恥ずかしい癖を隠してきたのだ。
だが、今日の悠耶は今までとは違っていた。
力の愛撫に落ち着きを取り戻したのか、思いのほかしっかりとした表情で顔を上げた。
「旅館の人に謝らないと」
その言葉に、力ははっとした。
全く治らないうちの自信のない悠耶は、もういなかった。
力の助けなど借りなくても大丈夫だと言わんばかりの能動的な態度が、力を少しだけ寂しくさせた。
けれどよく見れば、悠耶の顔は羞恥に真っ赤になり、指は力の寝巻きをぎゅっと握っていた。
不安には変わりないのだろう。
力は悠耶の頭を優しく撫でた。
「そうだな。おれも付いていくよ」
「うん、ありがとう」

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悠耶が瞳に涙を溜めて、力を見上げる。
力は悠耶を、ふわりと抱きしめた。
「ごめんなさい、ごめん、なさい……せっかく誘ってくれた旅行なのに。力に、迷惑かけたくないのに、俺……」
小さな子供のように謝り続ける悠耶に、力の胸は痛んだ。
「俺こそごめん。昨日、嫌がることして」
力は悠耶の頭を撫でた。
「大丈夫、大丈夫だから」
悠耶をなだめながら、力は対処法を考えた。
この宿には、今日も泊まる予定になっている。
出かけている間に清掃に入られれば、知られてしまう可能性が高い。
隠すよりも、宿の人に告げてしまったほうがいいように力には思えた。
ずるいやり方ではあるが、お茶でもこぼしてしまおうか。
そうしておけば、実はおねしょだと気付かれても、わざわざ確認してきたりはしないだろう。
この方法なら、悠耶も恥をかかなくて済むだろう。
事態を切り抜ける方法を、力は今までのように考え、実行しようとしていた。
こうやって悠耶の恥ずかしい癖を隠してきたのだ。
だが、今日の悠耶は今までとは違っていた。
力の愛撫に落ち着きを取り戻したのか、思いのほかしっかりとした表情で顔を上げた。
「旅館の人に謝らないと」
その言葉に、力ははっとした。
全く治らないうちの自信のない悠耶は、もういなかった。
力の助けなど借りなくても大丈夫だと言わんばかりの能動的な態度が、力を少しだけ寂しくさせた。
けれどよく見れば、悠耶の顔は羞恥に真っ赤になり、指は力の寝巻きをぎゅっと握っていた。
不安には変わりないのだろう。
力は悠耶の頭を優しく撫でた。
「そうだな。おれも付いていくよ」
「うん、ありがとう」

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朝食の前に、二人は旅館のスタッフに声をかけた。
「どうされましたか? お客さま」
気の良さそうな中年の女性スタッフに笑顔を向けられただけで、悠耶は顔を赤くして口ごもった。
「そ、その」
力は見ていられなかった。
「悠耶?」
声をかけると、それで決心が付いたかのように、悠耶は話し出した。
「あの、ごめんなさい。おれ、布団を汚してしまって……」
悠耶の額には汗が滲んでいる。
さすがにおねしょとは言えなかったようだ。
「さようですか……」
女性スタッフは不思議そうに、何か考えるような目を悠耶に向けた。
力は二人をじっと見守った。
もしスタッフが悠耶を傷つけるような言葉を発したら、睨みつけてやろうと待ち構えていた。
女性は親切だった。
「そうしましたら、掃除の際に取り替えておきましょうね」
微笑んでそう言ってくれた。
力はほっとして悠耶を見た。
どうせ後からばれるにしても、面と向かっておねしょと明言しなくて済んだのは、悠耶にとってもまだしもだったろうと思った。
だが悠耶は、迷いの表情を女性に向けていた。
そして、言った。
「ありがとうございます。おれ、あの、お、おねしょ、しちゃって」
あえて暴露した悠耶に、さすがに力もびっくりだった。
女性スタッフも驚いた顔をしたが、すぐに優しい笑顔に戻った。
「気になさらなくて大丈夫ですよ」
屈託なく言って、二人を朝食のテーブルに案内してくれた。
これで、悠耶の表情からは困惑が消えた。
そんな恋人を見て、力は考えた。
いまの悠耶には、おねしょを完全に隠すよりも、必要なときには告白して、許して受け入れてもらうことが必要なのかもしれない、と。
隠してしまえばいいと考えた朝の自分は、いまの悠耶をどれだけ理解できているのだろうか、と。

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「どうされましたか? お客さま」
気の良さそうな中年の女性スタッフに笑顔を向けられただけで、悠耶は顔を赤くして口ごもった。
「そ、その」
力は見ていられなかった。
「悠耶?」
声をかけると、それで決心が付いたかのように、悠耶は話し出した。
「あの、ごめんなさい。おれ、布団を汚してしまって……」
悠耶の額には汗が滲んでいる。
さすがにおねしょとは言えなかったようだ。
「さようですか……」
女性スタッフは不思議そうに、何か考えるような目を悠耶に向けた。
力は二人をじっと見守った。
もしスタッフが悠耶を傷つけるような言葉を発したら、睨みつけてやろうと待ち構えていた。
女性は親切だった。
「そうしましたら、掃除の際に取り替えておきましょうね」
微笑んでそう言ってくれた。
力はほっとして悠耶を見た。
どうせ後からばれるにしても、面と向かっておねしょと明言しなくて済んだのは、悠耶にとってもまだしもだったろうと思った。
だが悠耶は、迷いの表情を女性に向けていた。
そして、言った。
「ありがとうございます。おれ、あの、お、おねしょ、しちゃって」
あえて暴露した悠耶に、さすがに力もびっくりだった。
女性スタッフも驚いた顔をしたが、すぐに優しい笑顔に戻った。
「気になさらなくて大丈夫ですよ」
屈託なく言って、二人を朝食のテーブルに案内してくれた。
これで、悠耶の表情からは困惑が消えた。
そんな恋人を見て、力は考えた。
いまの悠耶には、おねしょを完全に隠すよりも、必要なときには告白して、許して受け入れてもらうことが必要なのかもしれない、と。
隠してしまえばいいと考えた朝の自分は、いまの悠耶をどれだけ理解できているのだろうか、と。

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朝食を終えた二人は、高徳寺の大仏を見るために、電車に乗って長谷の方面へと出かけた。
のんびり歩きながら、互いに考えていた。
相手のこと、自分のこと。
力はじっと、悠耶を見つめた。
今回の失敗は、どの程度のショックだったのだろう?
一時的なものだろうか、それとも今晩も?
自分の欲望に気を取られていないで、もっと悠耶のことを考えればよかった。
昨日のこと、ちゃんと謝らないとな。
なんにせよ、今夜は身体を触ったりしないで、悠耶が安心して眠れるようにしよう。
本当は、したい、悠耶に触れて、気持ちよくしたい、なりたい。
キスだけならいいかな……キスで治ったと思っているくらいだから。
悠耶もまた、ちらりと力を見た。
やっぱりおれ、力とじゃ釣り合わないよな。
精通もしてない上に、また、おねしょなんて。
力は一緒にいて優しくしてくれるけど、おれ、対等な恋人でいられてるかな?
昨日も力のこと拒否しちゃって、それなのに、朝はおれの失敗を慰めてくれて。
本当は、力に触られて気持ちよくって、でも、まだ大人の身体じゃないって知られるのが恥ずかしくて。
でも、力には言っちゃったほうがいいのかな……?
このことを考えて、悠耶は知らず知らず無口になってしまった。

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のんびり歩きながら、互いに考えていた。
相手のこと、自分のこと。
力はじっと、悠耶を見つめた。
今回の失敗は、どの程度のショックだったのだろう?
一時的なものだろうか、それとも今晩も?
自分の欲望に気を取られていないで、もっと悠耶のことを考えればよかった。
昨日のこと、ちゃんと謝らないとな。
なんにせよ、今夜は身体を触ったりしないで、悠耶が安心して眠れるようにしよう。
本当は、したい、悠耶に触れて、気持ちよくしたい、なりたい。
キスだけならいいかな……キスで治ったと思っているくらいだから。
悠耶もまた、ちらりと力を見た。
やっぱりおれ、力とじゃ釣り合わないよな。
精通もしてない上に、また、おねしょなんて。
力は一緒にいて優しくしてくれるけど、おれ、対等な恋人でいられてるかな?
昨日も力のこと拒否しちゃって、それなのに、朝はおれの失敗を慰めてくれて。
本当は、力に触られて気持ちよくって、でも、まだ大人の身体じゃないって知られるのが恥ずかしくて。
でも、力には言っちゃったほうがいいのかな……?
このことを考えて、悠耶は知らず知らず無口になってしまった。

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二日目の夜が来た。
悠耶の頭には、やはり二つのことがぐるぐると廻っていて落ち着かなかった。
今日は失敗しないだろうかという不安と、自分の身体に関するもう一つの秘密を力には打ち明けようかという悩みと。
「悠耶」
恋人の呼びかけに、悠耶は我に返った。
見つめる力の瞳は、優しかった。
一日中、一緒にいたのに、久々に力をじっと見た気がした。
「今日は結構歩いたから疲れたな」
「うん、そうだね」
返事をした悠耶を、力はずっと見つめている。
「力?」
「キスしていいか?」
聞かれて悠耶は即答しかねた。
昨日のように、キスの続きをされたら、と思ってしまった。
嫌なわけではないし、キスはしたいのに。
迷っているうちに、力が小さく笑った。
「キスだけ。絶対にキスしかしないから」
「うん」
真剣な力に、悠耶は身を任せた。
力はそっと悠耶を抱き寄せ、浅いキスを繰り返した。
もの足りない、と悠耶は感じてしまった。
昨夜の強引でディープなキス、そして愛撫を身体は覚えている。
理性は続きの行為に危機を感じているのに、本能は欲してしまっていた。
キスだけで下半身に血が集まった。
悠耶の両手が、力の肩をぎゅっと握る。
「はぁ……っ」
口を解放されて、悠耶は甘い息を吐いた。

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「風呂場、先に使っていいぞ」
力に言われて悠耶は真っ赤になった。
反応してしまったことが、力にも知れていたのだ。
「おれにされるより、自分でのほうがいいだろ」
力はそう言ってくれるが、悠耶の身体には、昨日の力の指の動きの感触が残っていた。
それを思い出して、悠耶は熱くなった。
あのときの快感をもう一度味わいたいという欲求を、抑えられなかった。
「力」
悠耶は小さな声で呼んだ。
「どうした?」
今夜の力は、どこまでも優しかった。
「力に、して欲しい、かも」
悠耶は俯きがちに本心を述べた。
そんなことを言われては、今日は絶対に触らないと決めていた力でも揺らぐ。
「いいのか?」
無理するな、なんて気遣いをする余裕はなく、悠耶の言葉に飛びついてしまう。
悠耶は小さく頷いた。
力は生唾を飲んだ。
悠耶の肩を抱き寄せようと、手を伸ばす。
「あ、待って」
悠耶の制止に、力はぴたりと動きを止めた。
焦るな、と己に言い聞かせる。
「力、笑わないで聞いてくれる?」
ふいに不安げな表情を、悠耶は見せた。
「え?」
力は瞬時に事情を察しかねた。
悠耶の顔は、おねしょ癖を知られやしまいかとクラスメイトを遠ざけていた時期に似ている気がした。
何か言いにくいことを悠耶は自分に話そうとしているのだ、と力は悟った。

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力に言われて悠耶は真っ赤になった。
反応してしまったことが、力にも知れていたのだ。
「おれにされるより、自分でのほうがいいだろ」
力はそう言ってくれるが、悠耶の身体には、昨日の力の指の動きの感触が残っていた。
それを思い出して、悠耶は熱くなった。
あのときの快感をもう一度味わいたいという欲求を、抑えられなかった。
「力」
悠耶は小さな声で呼んだ。
「どうした?」
今夜の力は、どこまでも優しかった。
「力に、して欲しい、かも」
悠耶は俯きがちに本心を述べた。
そんなことを言われては、今日は絶対に触らないと決めていた力でも揺らぐ。
「いいのか?」
無理するな、なんて気遣いをする余裕はなく、悠耶の言葉に飛びついてしまう。
悠耶は小さく頷いた。
力は生唾を飲んだ。
悠耶の肩を抱き寄せようと、手を伸ばす。
「あ、待って」
悠耶の制止に、力はぴたりと動きを止めた。
焦るな、と己に言い聞かせる。
「力、笑わないで聞いてくれる?」
ふいに不安げな表情を、悠耶は見せた。
「え?」
力は瞬時に事情を察しかねた。
悠耶の顔は、おねしょ癖を知られやしまいかとクラスメイトを遠ざけていた時期に似ている気がした。
何か言いにくいことを悠耶は自分に話そうとしているのだ、と力は悟った。

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