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ゆずきのBL小説ブログです。                      頼りになる幼馴染攻め×おねしょが治らない受けです。        ちまちま更新します。
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朝食の前に、二人は旅館のスタッフに声をかけた。
「どうされましたか? お客さま」
気の良さそうな中年の女性スタッフに笑顔を向けられただけで、悠耶は顔を赤くして口ごもった。
「そ、その」
力は見ていられなかった。
「悠耶?」
声をかけると、それで決心が付いたかのように、悠耶は話し出した。
「あの、ごめんなさい。おれ、布団を汚してしまって……」
悠耶の額には汗が滲んでいる。
さすがにおねしょとは言えなかったようだ。
「さようですか……」
女性スタッフは不思議そうに、何か考えるような目を悠耶に向けた。
力は二人をじっと見守った。
もしスタッフが悠耶を傷つけるような言葉を発したら、睨みつけてやろうと待ち構えていた。
女性は親切だった。
「そうしましたら、掃除の際に取り替えておきましょうね」
微笑んでそう言ってくれた。
力はほっとして悠耶を見た。
どうせ後からばれるにしても、面と向かっておねしょと明言しなくて済んだのは、悠耶にとってもまだしもだったろうと思った。
だが悠耶は、迷いの表情を女性に向けていた。
そして、言った。
「ありがとうございます。おれ、あの、お、おねしょ、しちゃって」
あえて暴露した悠耶に、さすがに力もびっくりだった。
女性スタッフも驚いた顔をしたが、すぐに優しい笑顔に戻った。
「気になさらなくて大丈夫ですよ」
屈託なく言って、二人を朝食のテーブルに案内してくれた。
これで、悠耶の表情からは困惑が消えた。
そんな恋人を見て、力は考えた。
いまの悠耶には、おねしょを完全に隠すよりも、必要なときには告白して、許して受け入れてもらうことが必要なのかもしれない、と。
隠してしまえばいいと考えた朝の自分は、いまの悠耶をどれだけ理解できているのだろうか、と。



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