ゆずきのBL小説ブログです。
頼りになる幼馴染攻め×おねしょが治らない受けです。
ちまちま更新します。
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鎌倉の旅館での力の一泊目は、とても快眠とは呼べなかった。
就寝前に、恋人の悠耶に性行為を拒絶されたのである。
確かに悠耶にも断る権利はある。
だが、泊まりの旅行に応じてくれた時点で、行為のほうにも応じてもらえたのだと力は思い込んでいた。
それだけに、悠耶に力強く押しのけられたショックは大きかった。
いつものように冷静に感情をコントロールすることができなくて、逃げるように布団に潜った。
すぐに寝付けるはずもなく、気まずい思いで目を瞑っていた。
悠耶が二度ほどトイレに行ったのに気付いても、深く理由を考えもしなかった。
しばらくして、うとうとしたかと思うと、もう朝だった。
寝不足の身体をゆっくり起こす。
悠耶を見れば、体育座りをしている。
それが力の目には、警戒しているように映った。
俺に触られたのが、そんなに嫌だったのか……それなら最初から、宿泊の旅行に賛成なんかしなければいいものを。
さすがの力も、むっとしたとき、悠耶の表情が崩れた。
一瞬だけ耐えるような強張った表情を見せたかと思うと、泣き出してしまった。
「どうした、悠耶?」
力は驚いて、気まずさも不機嫌さも忘れて悠耶に近寄った。
「悠耶?」
膝を付いて、悠耶の顔をのぞき込む。
「ごめん、なさい」
悠耶はかすれた声で謝罪をした。
昨夜のことだろうか、と力は考えた。
「いや、悠、俺が悪かった。昨日は……」
言葉の途中で悠耶が首を振った。
「お、俺、治ってなかった」
悠耶が俯いて絞り出すように告げた。
治ってなかった。
何のことだか気付いて、力は言葉を失った。
悠耶のおねしょ癖は、もう治ったのだと思い込んでいた力は、虚を衝かれた。
昨晩の自分の行動を改めて思い出して、深く後悔した。
悠耶にとっては昨夜が、おむつなしでの初めての外泊だったことに、ようやく思い至ったのだ。
不安があったはずなのに、そのことに気付いて気遣うことができなかった。
それどころか、自分の欲望をぶつけることしか考えていなかった。
最悪だ、俺は。
力は、がくりと肩を落とした。
視線の先には、しっかり掛け布団で覆われた敷布団。
その中はぐっしょり濡れていると思うと、力は罪悪感でいっぱいになった。
これまでずっと、悠耶が外泊で布団を濡らさずに済むように協力して、成功してきた。
この前の沖縄でのような小さなミスは何度かあったが、周囲に知られるような事故は一度もなかった。
それなのに。
恋人同士になって、今までより近い関係になって、布団に失敗させてしまった。
悠耶とは幼馴染でいつも一緒にいたのに、実は全然、理解できていないのかもしれない。
そんな考えが、ふと浮かんだ。
だとしたら、悠耶と付き合う資格、まして身体を重ねるような資格は、ないのではないか。
責任感の強い力だけに、瞬時に思い詰めてしまった。

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就寝前に、恋人の悠耶に性行為を拒絶されたのである。
確かに悠耶にも断る権利はある。
だが、泊まりの旅行に応じてくれた時点で、行為のほうにも応じてもらえたのだと力は思い込んでいた。
それだけに、悠耶に力強く押しのけられたショックは大きかった。
いつものように冷静に感情をコントロールすることができなくて、逃げるように布団に潜った。
すぐに寝付けるはずもなく、気まずい思いで目を瞑っていた。
悠耶が二度ほどトイレに行ったのに気付いても、深く理由を考えもしなかった。
しばらくして、うとうとしたかと思うと、もう朝だった。
寝不足の身体をゆっくり起こす。
悠耶を見れば、体育座りをしている。
それが力の目には、警戒しているように映った。
俺に触られたのが、そんなに嫌だったのか……それなら最初から、宿泊の旅行に賛成なんかしなければいいものを。
さすがの力も、むっとしたとき、悠耶の表情が崩れた。
一瞬だけ耐えるような強張った表情を見せたかと思うと、泣き出してしまった。
「どうした、悠耶?」
力は驚いて、気まずさも不機嫌さも忘れて悠耶に近寄った。
「悠耶?」
膝を付いて、悠耶の顔をのぞき込む。
「ごめん、なさい」
悠耶はかすれた声で謝罪をした。
昨夜のことだろうか、と力は考えた。
「いや、悠、俺が悪かった。昨日は……」
言葉の途中で悠耶が首を振った。
「お、俺、治ってなかった」
悠耶が俯いて絞り出すように告げた。
治ってなかった。
何のことだか気付いて、力は言葉を失った。
悠耶のおねしょ癖は、もう治ったのだと思い込んでいた力は、虚を衝かれた。
昨晩の自分の行動を改めて思い出して、深く後悔した。
悠耶にとっては昨夜が、おむつなしでの初めての外泊だったことに、ようやく思い至ったのだ。
不安があったはずなのに、そのことに気付いて気遣うことができなかった。
それどころか、自分の欲望をぶつけることしか考えていなかった。
最悪だ、俺は。
力は、がくりと肩を落とした。
視線の先には、しっかり掛け布団で覆われた敷布団。
その中はぐっしょり濡れていると思うと、力は罪悪感でいっぱいになった。
これまでずっと、悠耶が外泊で布団を濡らさずに済むように協力して、成功してきた。
この前の沖縄でのような小さなミスは何度かあったが、周囲に知られるような事故は一度もなかった。
それなのに。
恋人同士になって、今までより近い関係になって、布団に失敗させてしまった。
悠耶とは幼馴染でいつも一緒にいたのに、実は全然、理解できていないのかもしれない。
そんな考えが、ふと浮かんだ。
だとしたら、悠耶と付き合う資格、まして身体を重ねるような資格は、ないのではないか。
責任感の強い力だけに、瞬時に思い詰めてしまった。

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