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ゆずきのBL小説ブログです。                      頼りになる幼馴染攻め×おねしょが治らない受けです。        ちまちま更新します。
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布団の中で、悠耶は硬直した。
部屋はすでに、カーテン越しの朝の光で薄明るかった。
やってしまっていた。
お尻が冷たい。
明らかに布団が濡れている。
旅館の布団に、おねしょしたのだ。
あまりの恥ずかしさに身体が熱くなった。
どうしよう、どうしよう……。
頭に血が上って、何も考えられない。
失敗を認めたくなくて、濡れた部分を確認するのをためらう。
けれど、やってしまったものは仕方がない。
取り返しの付かないこともわかっている。
悠耶は恐々と、股間に手を伸ばした。
仰向けで寝ていたため、前はあまり濡れていない。
とはいえ下着まで手を伸ばせば、ぐっしょりだった。
夜着の後ろの部分も、かなり下のほうまで濡れている。
着る物とシーツは洗えば何とかなるが、問題は布団だった。
だが、このぐっしょり感なら、相当の被害が出てしまっていることは、見ずとも容易に想像できた。
それでも起き上がって掛け布団をどかし、自分が描いてしまった世界地図の大きさを確認する。
布団の真ん中に、堂々とした染みができていた。
シーツを剥がしてみれば、ひと回りほど小さいとはいえ明らかに色の違う部分ができている。
鼻をつく独特の臭い、ぐっしょり濡れた夜着とパンツ、シーツには大きな染み。
誰がどう見ても、おねしょだった。
冬の朝であり、濡れた下半身が冷たい。
悠耶は布団の染みを見つめた。
これからどうしよう。
ひとつ息を吐く。
力に助けを求めてしまえば楽になれる。
だが、恋人になったからには力に頼らず自分で対処しようと決めたはずだった。
悠耶は着ていた物を全て脱ぎ、鞄から着替えを取り出した。
運よく部屋に備わっていた内風呂でお湯を出し、タオルで汚れた身体を拭いた。
服を着て風呂から出ると、部屋は先ほどよりも明るくなっていた。
時刻は七時過ぎで、一時間もしないうちに力も起きるはずである。
悠耶は、濡れた衣服と染みを、掛け布団で隠した。
その隣に体育座りをして、溜め息を吐く。
またおねしょをしてしまったという事実が悔しくて情けなくて、涙がこぼれそうになった。
急いで目をこする。
今度は不安になってくる。
力に何て言おう……きっと呆れるだろうな、せっかくの旅行なのに。
考えると、力にいつまでも寝ていて欲しいような、それでも早く打ち明けてしまいたいような気がした。
八時に近くなって、力がもぞっと動いた。
悠耶は、身体をびくりと緊張させた。
失敗を力に知られると思うと、早くも羞恥に顔が熱くなった。
力は緩慢な動作で起き上がり、こちらを見た。
いつもなら悠耶を見るなり微笑んで、おはよう、と言ってくれるはずの力が、今日は不機嫌そうに黙っている。
失敗を見透かされているような気がして、悠耶は何も言えなくなってしまった。



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