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ゆずきのBL小説ブログです。                      頼りになる幼馴染攻め×おねしょが治らない受けです。        ちまちま更新します。
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その日の四限目、悠耶のクラスは古文の授業だった。
集中力が切れてくる時間帯でもあり得意科目でもあったためか、悠耶はうわの空だった。
浮かんでくるのは、朝の力の嬉しそうな顔である。
クリスマスに泊まりの旅行に行くのが嫌ではないと言っただけで、力はすごく喜んでいた。
自分と一緒にいられるのを喜んでくれるのは嬉しいけれど、悠耶は本当は、少し不安だった。
なにしろ、つい数ヶ月前まで、おむつなしでは寝られなかったのだ。
それが必要なくなって、初めての外泊。
治って以来、一度も失敗はないとは言え、心配に思ってしまうのはしょうがなかった。
だが、これはいつかは迎える試練である。
この先の人生でも必ず外泊の機会はあるだろうし、来年の、つまり高校三年生の春にも宿泊行事が待っていた。
だから、この初めての一泊を力と一緒に迎えられるのは、ありがたいことだとも言えた。
力は、宿泊行事のたびに悠耶の恥ずかしい癖が知られないよう助けてくれた、大切な幼馴染だ。
いまでは恋人になって、おむつなしでの初外泊を共にしようとしてくれている。
あれ……そういうこと……?
悠耶は気付いた。
もしかして力は、さり気なくクリスマスのデートに誘う振りをして、外泊でも失敗しないか確かめるのを手伝ってくれているのだろうか。
優しくて気が利く力のことだから、その可能性は充分にある。
悠耶は小さく溜息を吐いた。
どんな理由の誘いにせよ、もう力の前で失敗したくない。
悠耶は力のことを、頼りになって優しくて、自分なんかには釣り合わない存在だと思っていた。
ただでさえそうなのに、このうえ布団を濡らしてしまったりしたら、情けなくて、恋人として力の隣にいるなんてできそうになかった。
恋人同士になったからこそ、悠耶は力と、対等な関係でいたかった。
そのためには、いままでみたいに力に甘えちゃ駄目だ、何が起きても、自分で対処しないと。
悠耶は自分に言い聞かせ、こくりとひとつ頷いた。
力が望む恋人同士の営みにまで考えをめぐらせる余裕は、とてもなかった。



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