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ゆずきのBL小説ブログです。                      頼りになる幼馴染攻め×おねしょが治らない受けです。        ちまちま更新します。
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保田衛(やすだ まもる)は医者である。
S駅から道を一本隔てて、やすだ医院という小児科の病院を持っている。
下がった目じりが特徴の、今年で四十になる温和そうな男だ。
真瀬悠耶(ませ ゆうや)が保田のもとを訪れたのは四月上旬、散り急ぐ桜が若葉へと変わりゆくころであった。
時刻は午後六時半、医院の診察時間の後である。
「悠耶くん、そこでいいかな?」
保田は、診察室の患者用の椅子を悠耶に勧めた。
「はい、すみません、診察終わっているのに」
「いや、いいよ。今日は診察ではないんだから」
とは言え白衣の保田が悠耶に向き合って座れば、関係は医者と患者にしか見えない。
事実、保田にとって悠耶は患者であった。
保田は、熱を出した幼いころの悠耶を何度も診療している。
悠耶は成長と共に風邪を引かなくなり、また、年に一、二度体調を崩しても、小児科専門のやすだ医院に掛かることはなくなった。
だが実は、保田は風邪以外のことでも悠耶を診ている。
悠耶の風邪は、適切な薬の処方と家で安静にしていることで難なく治った。
もうひとつのほうは、そううまくはいかなかった。
悠耶は保田にとって、いまでも患者なのだ。





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