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ゆずきのBL小説ブログです。                      頼りになる幼馴染攻め×おねしょが治らない受けです。        ちまちま更新します。
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残暑というよりも夏が続いているような暑さの、それでも着々と日は短くなりつつある九月の初めの午後六時半、やすだ医院にひとりの来客があった。
「おや、珍しいね」
保田は親しげに声を掛けた。
「衛先生、お久しぶりです。少し、いいでしょうか」
「じゃ、こっちで話そうか」
保田はその男、神野崎力(かんのさきりき)を、五ヶ月前に悠耶にしたのと同じように、診察室の患者用の椅子に座らせた。
「ありがとうございます」
力は礼儀正しく、大人のような、どこか悟ったところのある落ち着きを見せた。
悠耶と一緒に来院したときの力は、こうも大人びてはいなかった。
と言ってもそれは、一年以上も前、力が中学を卒業した日のことであったが、その日の力は、悠耶がおねしょを抱えたまま高校に進学することを漠然と不安がる隣で、同様に新たな環境への期待と不安に緊張をはらんだ表情を見せていたはずだった。
それが今日の力は、すでに大人しかいない病院の雰囲気に溶け込んで、保田は二十も年下の相手と向き合っている気がしなかった。
力は保田の視線を捕らえ、ふと苦く笑った。
「おれ、悠耶に嫌われたかもしれません」
「え……?」
「今月末、修学旅行なんです。二泊三日、沖縄に。それで、今年はおれと悠耶は別のクラスなんですけれど、班って言うか部屋割りは、クラス関係なく決めていいんです。それなのに、悠耶、おれと一緒の班にはなれないって」
まいったな、と言うように、力は頭を掻いた。
さほどの深刻さを感じられないその様子が、保田には少し不自然に思われた。


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