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ゆずきのBL小説ブログです。                      頼りになる幼馴染攻め×おねしょが治らない受けです。        ちまちま更新します。
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悠耶は焦っているのだろう。
それと言うのも悠耶が中学生のころ、保田は悠耶にこう言ったことがあるのだ。
「つまり悠耶くんは、まだ身体が大人になりきっていないんだ。おねしょが治らないのも、それが原因かもしれない」
あのときから悠耶は十センチ以上も背が伸びて、体格も十七歳に相応している。
それなのに、身体は大人になったのに、おねしょは一向によくならない。
それで、焦っているのだろう。
「昨日が誕生日だったのか、おめでとう」
悠耶は嬉しくなんてなさそうに、下唇を噛んで黙ってしまった。
「悠耶くん、随分と背が伸びたね。大人らしい体つきになった。でも、それはあくまで見た目の話だ」
中身は子供だ、と言われているとでも思ったのか、悠耶はますます俯いてしまった。
保田は気遣う声で聞いた。
「あっちのほうは、どうかな?」
じっと動かない悠耶に、保田は問いを重ねた。
「まだ、なんだね?」
「は、はい」
悠耶は申し訳なさそうに、僅かに答えた。
おねしょ以外にも、悠耶には悩みの種があるのだ。
「そっか……力くんとは、変わらずに仲良くしているのかい?」
保田は、力が悠耶に本気で惚れていることを知っているので、いわば鎌をかけるつもりで聞いたのだが、悠耶は急に変わった話題にきょとんとしただけだった。
親友の関係から、進展はないようだ。
「はい、いつも通り、一緒に学校行ったり、お互いの家に行ったり来たりしてます」
うん、と保田はひとつ頷いた。
「気の置けない友達は重要だ。心の、それに身体の成長にもね」
「はぁ……」
悠耶は、わかったようなわからないような相槌を打った。
それもそのはず、当の保田にも、力という存在が悠耶の成長にどれほど影響を与えるか、正確には予測できていない。
ただ、保田には悠耶の身体にたいして憶測がある。
それが正しければ、力が悠耶のおねしょを治せるかもしれないのだが、無理強いは禁物、じっくり見守るしかない方法なのだ。
「先生、あのことは、力には言わないよね?」
去り際に、悠耶が念を押す。
もうひとつの悩みについては、悠耶は力にさえ知られたくないのだ。
「絶対に言わないよ」
約束の言葉を聞くと、悠耶はぺこりと会釈をして帰って行った。
悠耶が不安な心情を吐露する相手役を務めるくらいしかできないことが、保田はもどかしかった。



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